完全引きこもり1週間チャレンジやってみた

2023/04/29

スクの着用も個人判断を促されるようになり、コロナ禍も落ち着きを見せてきた。

そんなタイミングで私はリモートワークを久しぶりに行うことになった。コロナ禍で何ヶ月か行なって以来となる。

東京の外れのベランダから山が見える場所に引っ越してきた。これからリモートワークになるということもあって、ウルトラワイドモニターも買った。デスクの下に足をかけるハンモックも、キーボードやトラックパッドの下に引くマットなどデスクワークをより快適するアイテムにも投資した。あとチェアの腕をかけるところ用のクッションも買った。

家で働く準備は万端だ。

いざリモートワークを始めると、想定通りに髭も伸ばし放題だし一日中部屋着でコンビニかスーパーしか行かない暮らしになった。

運動しなきゃ、外に出なきゃ、という気持ち駆られる一方で、今後リモートワークはもっと減っていくだろうから、むしろ今のうちにどれだけ家から一歩も出ずに暮らせるか試してみるのも面白いんじゃないか、と思った。チャレンジをすることで退屈な暮らしを少しでも楽しめるんじゃないかという思いもあった。

1週間家から一歩も出ないで暮らせるかやってみることにした。

1週間は長いのか?

全く家から出ないで暮らす1週間は長いだろうか。それとも短い?

私の記憶では最長で3日くらいだった気がする。それはやっぱり以前リモートワークをしている時だった。

2日くらい家を出ていないと、憂鬱な気持ちになって外に出たくなる。あまり外出ていない時に外に出ると毎度外にもっと出るべきだなあ、と身に染みる。最高記録が3日だから7日も続くとどういう気持ちになるのか想像がつかない。もしかするとある時から何も感じなくなってしまうのかもしれない。そうなれば、今後このようなチャレンジをする意義も無くなってしまうだろう。

いずれにせよ、自分がどうなるのか興味がある。

1週間を生き延びるための戦略

家を出られない、という制限を設けると、普段何のために家を出ていたっけ?と考える。

コンビニやスーパーで食料品や日用品を買う。移住の手続きのために役所に行く。アウトドアしに。友達と飲みに。

暮らしに最低限必要な外出を無くせば、より長く引きこもり続けられる。よし、たくさん買い込もう!

食料品のストックは必須なので、スーパーに出向く。

スーパーを端から端まで見て、思いつくのは、

・冷凍食品、乾麺、缶詰、米は長持ちするのでたくさんあると安心

・生鮮食品は保存期間が短いので数日分が限界

・飲み物は力の限り買っとく

・最低限の食事だと辛いからパンやお菓子も買っとく

といったところだ。

うっかり切らしていけないのは、トイレットペーパーやシャンプーや洗剤などの日用品だ。シャンプーや石鹸なしで1週間は辛すぎる。ゴミ袋もだ。

そんなことを考慮しながら2日かけて約8000円ほどの食料を調達した。うっかり何かを忘れるのが怖くて買い物したものの、最低限の食料で暮らすには別にインスタント麺3パック買うだけでもいけるかもしれない。割と裕福な買い物をしたかもしれない。

さあ、いざ未知の暮らしを始めよう。

1日目

1日目の夜を迎えた。当たり前だけど、余裕。

だが、早くもやらかしてしまっている。1週間のために役に立つだろうと思って買ったプリングルス的なロング缶のポテチを1缶たいらげてしまった。。もうあと1缶しかない。三袋買ったスティックスナックパンも1袋の3つ食べてしまった。。残り2袋と2パンだ。

食料の残量を考えれば、1日あたりいくつ食べられるか簡単にわかるものの、本能を制御できていない。危機感が足りない。

まだたくさん食料あるから大丈夫だろう思っている。いざとなったらチャレンジをやめて買いに行けばいいと思っている。

2日目

まだまだ余裕ではある。時折外を眺めて近くの川に行きたいなあ、と思う。

書こうか迷ったが大きな問題が顕在化した。

東京の外れに引っ越して1ヶ月ほど経ち、立地も部屋の環境も気に入っている。しかし隣人がどうやら神経質な人っぽく平日もずっといるようだ。ただいるだけなら良かったものの、こちらがちょっとした物音を立てるとすぐに音を立てて反応してくる。

前の家が壁が木材で空洞みたいな感じで、同じく隣が反応してくるのが嫌で引っ越してきたのに、また同じ現象になった。しかも前の隣人より過敏で、今まさにタイピングをしているとよく反応する。

もちろん、私のタイピング音がうるさいのかもしれないから、キーボード変えてみたり、マット買って敷いてみたり、デスクの上にもマット敷いてみたりして、引っ越してからはキーボードカバーを買ってみた。これでかなりタイピング音は減った。カチャカチャ部屋に鳴り響くことはない。

流石にこのくらいの音で反応されたらもう改善は厳しい。無音になるしかない。それでも早めにタイピングをするとすぐに反応がある。

指をポキっと鳴らしたり、小さくため息をついたり、頭をかいたりしても反応がある。これじゃあのびのびとは暮らせない。

引っ越し後早くも顕在化してきたこの問題は私が生活音を無くす意外に解決策はなさそうだ。

相手の反応に合わせて、改善を試みてはいるが、こそこそと生活はしたくない。

入居1ヶ月でこのストレスなら数ヶ月後が思いやられる。いちいち反応される環境は居心地が悪い。

と、愚痴になったが、家に引き篭もる上で大きな問題があったのだった。

明日は水曜日。平日の真ん中を過ごせば週末が見えてくるのでモチベーションが上がるはず。

3日目

水曜日の夜を迎えたので、平日の後半に入る。普段なら週末が近づいてテンションが高まってくるタイミング。

日曜日まで家に引き篭もることについて、特に問題はなさそうだ。

食料はまだまだ残っているし、ないと困るものは出てこなさそうだ。冷凍の魚はまだ7匹も残っているし、調達し忘れた米もまだ残っている。もしかしたら、1週間も1ヶ月も変わらないのかもしれない。

今週は気温が下がり少し暖房をつけた。時折雨が降り、先週までの夏が来そうな暑さとは打って変わって冷え込んだ。

4日目

白状する。外出した。

家の音に関する問題に耐えきれず、外に管理会社に電話をしに行った。周囲に話を聞かれたくないためだ。

4月からフルリモートワークを開始して2週間くらい経って、自分が発した音に対して反応があるように感じるようになった。

小さめのため息やあくび、タイピング音、指をポキポキ鳴らすなどなど、自分の部屋から漏れていないだろ、と思える音量の音でさえ、隣の部屋から反応がある。壁ドンではないが木を机に充てるような質感の音が聞こえてくる。

仕事中はビデオ会議で話すこともあるけど、話したりすると大きな音が起こり、明らかに話しているのが聞こえていて嫌なんだろうな、という反応がある。

頭をぽりぽり掻いたりすることすらままならない、自分の部屋なのにコソコソ暮らさないといけないのかよ、とストレスが溜まり、こんな環境なら今後暮らしていける気がしない。引っ越して1ヶ月で部屋を気に入ってるが、ここまで暮らしにくい部屋なら本気で引越しをしようと考えた。

生活に大きな影響が出ていると判断し管理会社に電話する。

管理会社に事情を説明すると、仮にこちらの音がうるさかったとしても、音を立てて反応するべきではなく、管理会社に報告するべきだ、と言う。自分が音を立てることで相手が音を返してきているのだから、自分に非があると考えていたので、相談して少し気が楽になった。

そして、一度話をした後に管理会社の別の人から電話がかかってきた。

その人と話した感想としては、隣の人は日中はいないっぽい。てっきり音は隣から聞こえていると思っていたけど、その話を聞いた後に改めて聞き耳を立てると、確かに隣から聞こえてくる音と反応音の遠さが違った。もしかしたら下かもしれない。

でも下から音を鳴らされるってかなり珍しいのではないか。とりあえず下から聞こえてくるようなので、自分が放つどんな音で反応しているか改めて確認してみる。思い当たるとすれば自分がタイピングする時に机をつたってドドドドッというような振動を発していること。椅子を座ったままズーっと動かしたり、椅子に少し年季が入っているので、横に体重移動するとコクッと振動を放つ癖があった

もしこれらが下に伝わっているとしたら、それが響きうるさくて反応しているのかもしれない、と思った。

ため息などふとした時に発した声に反応があるのは私の勘違いかもしれない。こんな小さい音が周囲に聞こえるとは思えない。でもやっぱり「ふぅ〜」「コン、コン」と反応がバッチリ自分の発した音に対して鳴る。試しにわざと「ふぅーー」としてみる。反応はない。自分の発する音に反応されている気もするがこれは不可解な現象だ。とりあえずしばらく様子を見ながら調査を続けることにしよう。

話題がかなり脱線している。

6日目

週末の土曜日を迎えた。もはや外に出てしまったので、チャレンジは失敗した。

しかしまあ、15分くらいしか外出をしていない何ら影響はないと思える。

6日目を迎えてみて、食料も依然として余裕がある。冷凍の魚5匹にハンバーグ3個鳥肉団子も1キロぐらい、カップ麺もインスタント麺も米もまだある。お菓子はポテトチップが少しと菓子パンが少し。1週間でもそんなに食料は消費しないもんだ。しかしビールは残り2缶とギリギリ足りない。毎日2缶消費するので買い込むのはなかなか大変だ。箱買いするしかいない。

精神的には音のトラブルがあったので気持ちはだいぶ落ち込んでいる。とりあえず家から離れて外に行きたい気持ちがある。これは今回の問題があったらこう思ったわけで、問題がなければ家を出たいと強く思わなかったはずだ。

ここまでくるともうこれが1ヶ月続いたとしても変わらない気がする。平日に仕事をしている時は業務に集中していて、疲れるので日が経つのがあっという間だった。ただ休日に外に出られないのは辛いかもしれない。

家でやることを見つけられれば問題はないだろう。動画視聴でも読書でもゲームでも1日家で過ごしても苦にならないことがあればいい。

今日はゴールデンウィーク初日。ある程度やってみてこのチャレンジを続けていることに意義を感じられなくなったので、チャレンジは終了とする!   …そうです。典型的な継続できない時の言い訳です。